チェーは、ベトナムの甘いものを知るときに出会う名前です。フエの路地に並ぶ甘いスープと、フルーツやゼリーをココナッツミルクに合わせるチェー・タイ。二つの例を眺めると、同じチェーという名前の下に、ずいぶん違う材料の組み合わせがあることがわかります。

フエの路地に並ぶ甘いスープ

フエには、路地の屋台で甘いスープを選ぶ楽しみがあります。「チェー・ヘム」と呼ばれる路地の甘味では、屋台の前に並ぶ色とりどりのスープから、食べたいものを選べます。

挙がっているのは、もち米、トウモロコシ、ハスの実、タロなどを使う甘いスープです。材料の名前を見ながら選ぶだけでも、普段の自分のおやつと比べる楽しみがあります。もち米が気になるか、ハスの実を試してみたいか。最初の一杯を想像してみましょう。

意外な組み合わせとして、焼き豚を包んだ団子入りのチェーも紹介されています。料理名は「チェー・ボット・ロック・ヘオ・クアイ」。果物や豆の甘味だけを思い浮かべていると、印象が変わる一品です。

どれも同じ材料の別名ではなく、それぞれの具を持つ甘いスープです。フエのチェーを知るときは、チェーという名前と一緒に、何が入っているかも見てみると選ぶ楽しみが広がります。

果物を重ねるチェー・タイ

もう一つの例は、カーン・オンが紹介するチェー・タイです。こちらは、ジャックフルーツやライチなどの果物に、ゼリー、ココナッツミルク、氷を合わせ、グラスに分けて出すレシピです。

果物には、細く切ったジャックフルーツ、プラサンまたはランブータン、薄切りのライチを使います。すべてを同じ形にするのではなく、果物ごとに切り方が違うのも、材料欄を見る楽しみの一つです。

さらに、角切りのアイユージェリーや、薄く切ったトディパームも加わります。名前だけでは一つの果物の料理に見えても、実際には果物とゼリーを組み合わせたものです。ココナッツミルクに何を合わせるかを見ると、一杯の中身が具体的に浮かんできます。

このレシピでは、砂糖を加えるかどうかは好みで選べます。仕上げにはライムの皮と果汁を添えます。甘く仕立てる材料に加えて、最後に添えるものまで見ると、料理の組み立て方がわかります。

水クワイをひと手間かけて加える

チェー・タイの材料には、ウォーターチェスナットと呼ばれる水クワイも登場します。カーン・オンのレシピでは、小さく切ったものにタピオカでんぷんをまぶし、余分な粉を落としてから熱湯に入れます。

浮いてきたところで取り出し、すぐに氷水へ移します。水を切った後、果物を入れておいたジャグに加えます。果物やゼリーをそのまま合わせるだけでなく、この材料には別の下ごしらえがあるわけです。

その後、ゼリーやトディパーム、ココナッツミルク、好みの砂糖を加え、ジャグいっぱいに氷を入れて混ぜます。各自のグラスに注ぎ分け、ライムを添えて出すところまでが、このレシピの流れです。

名前と材料を一緒に楽しむ

フエの甘いスープには、もち米やトウモロコシ、ハスの実、タロ、焼き豚を包んだ団子といった例がありました。一方のチェー・タイは、果物、ゼリー、水クワイなどをココナッツミルクと氷に合わせます。材料も、仕上げ方も、それぞれです。

チェーという名前だけで味を一つに決めず、「これは何が入っているのだろう」と見てみると、甘味を知る入口になります。気になる材料を一つ選んだり、食べたことのある果物を探したり。名前の先にある一杯の中身を楽しんでみてください。

関連記事:あわせて確認したい実務論点

近いテーマの実務記事も、あわせてご覧ください。

参考資料・注記

Viet Nam National Authority of Tourism — Hue’s Best to Eat - From the Palace to the Street【フエのチェー】(リンク確認日:2026年10月19日)

SBS Food — Khanh Ong「Vietnamese che Thai」【チェー・タイの材料と工程】(リンク確認日:2026年10月19日)

注記:本文は各出典の紹介例に基づきます。