ベトナムの春巻きには、柔らかい皮のまま食べるものと、油で揚げるものがあります。どちらも具材を皮で包む料理ですが、皮の扱い方や具の組み合わせを見比べると、それぞれの特徴がわかります。

生春巻きのゴイクオン、四角く包む揚げ春巻きのネムクアベー、ハノイのネムラン。ここでは三つの例を通して、包んで食べる料理を楽しんでみましょう。

生春巻きは、戻した皮で具を巻く

ゴイクオンは、豚肉やエビ、米の細い麺であるブンなどを包む生春巻きです。豆腐やキノコを使う、肉を入れない例もあります。

ルーク・グエンのレシピでは、調理済みのエビと豚肉に、麺、レタス、ミント、シソを合わせます。「生春巻き」という名前でも、ここで使うエビと豚肉は加熱済みです。生という呼び名と、具材が生かどうかは別に考えるとわかりやすくなります。

ライスペーパーは、一枚ずつぬるま湯につけて柔らかくし、平らな皿に広げます。このレシピには、半分に切った皮を中央に縦に重ね、具材が突き破りにくいよう補強する工夫もあります。

その上に半分に切ったエビを横一列に置き、葉物や豚肉、麺を並べます。両側を中央へ折り、手前から巻いていく流れです。巻き終わる直前にニラを加え、片方の端から少し出る形に仕上げます。包み方にも、その一皿の表情があります。

四角い揚げ春巻き、ネムクアベー

ネムクアベーは、ハイフォンに由来する、四角く包んだ揚げ春巻きです。カニ、エビ、豚肉に、キクラゲ、細い麺、もやしを合わせ、ライスペーパーで包んで揚げます。

生春巻きの巻いた形と比べると、四角い姿は印象的です。中に何を入れるかだけでなく、包んだときにどんな形になるかも、料理を見分ける手がかりになります。

食べるときには、ミントやシソの葉を合わせます。揚げた料理の濃厚さを和らげる組み合わせとして紹介されています。具を葉や皮で包む工程と、食べるときに葉を添える工夫。その両方に目を向けると、食卓での楽しみ方も見えてきます。

ネムランは、具材とタレにも注目

ハノイのネムランを紹介するレシピには、豚ひき肉、干しエビ、干しシイタケ、キクラゲ、玉ねぎ、ネギ、にんじんなどが登場します。ヒカマ、またはコールラビも細切りにして加えます。

干しキノコと干しエビは、それぞれ湯で戻してから刻みます。他の具材と合わせ、溶き卵を加えてまとめる工程です。ルーク・グエンの生春巻きのレシピでは加熱済みのエビと豚肉を並べて巻きますが、ネムランのレシピは、ひき肉などを混ぜて包み、揚げ焼きにする作り方です。

添えるタレには、魚醤、砂糖、水、ライム果汁、黒こしょうを使います。ニンニクや唐辛子を酢に合わせたチリビネガーも紹介されています。皮と具だけでなく、何をつけて食べるかにも違いがあるわけです。

包み方から、好きな春巻きを見つける

柔らかく戻した皮で、エビや豚肉、麺、葉物を巻くゴイクオン。カニなどを四角く包んで揚げるネムクアベー。ひき肉や干しキノコなどを合わせるネムラン。同じ春巻きという言葉で紹介されても、具体的な姿はそれぞれです。

写真やメニューを見たら、まず皮が柔らかいままか、揚げてあるかを見てみましょう。次に形と具材、添えられた葉やタレへ。名前だけで一つの料理だと決めずに見ると、食べてみたい一皿を探す楽しみが増えそうです。

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参考資料・注記

Viet Nam National Authority of Tourism — 10 delicious Vietnamese rolls【ゴイクオン・ネムクアベー】(リンク確認日:2026年10月19日)

SBS Food — Luke Nguyen「Soft rice paper rolls with prawns and pork」【生春巻きの具と巻き方】(リンク確認日:2026年10月19日)

SBS Food — The Funnelogy Channel「Hanoi rooftop spring rolls (nem rán)」【ネムランの具とタレ】(リンク確認日:2026年10月19日)

注記:本文は各出典の紹介例に基づきます。食品のアレルギーや食事制限への対応は、実際の原材料表示や提供者に確認してください。