
外国人採用にかかる費用相場と内訳|在留資格別コストと費用対効果の判断基準
外国人材の採用を検討するとき、多くの担当者が最初にぶつかる壁が「費用感がまったくわからない」という問題です。日本人採用と異なり、在留資格の申請・登録支援機関への委託・住居の手配など関与する機関が多く、コスト項目が複雑に見えます。
この記事では、外国人採用にかかる費用を在留資格ごとに整理し、紹介手数料・申請代行費・入社後の継続コストの相場を解説します。採用チャネルによるコストの違い、見落としやすい間接費用、現場でよく寄せられる費用相談への回答、そして採用担当者がすぐに使える判断基準チェックリストも掲載します。採用予算の組み立てにぜひ役立ててください。
外国人採用費用の全体像:何にお金がかかるのか
外国人採用の費用は、「採用段階」と「受入れ後」の2フェーズに分けて考えることが重要です。日本人採用では入社後に大きな固定費が発生することは少ないですが、外国人採用では入社後も継続的なコストが発生します。
採用段階の主なコスト:
- 求人広告費またはスカウト費用
- 人材紹介会社への紹介手数料(紹介会社経由の場合)
- 面接時の通訳費用(必要な場合)
- 在留資格の変更・新規取得申請費(行政書士・申請取次者への報酬)
- 海外から呼び寄せる場合の渡航費・住居準備費
受入れ後の継続コスト:
- 登録支援機関への月額委託費(特定技能の場合)
- 住居の提供または家賃補助
- 日本語研修・職場適応研修費
- 就業規則・安全マニュアル等の翻訳費
- 在留資格更新の手続き費(定期的に発生)
多くの企業が紹介手数料だけに着目して費用を比較しますが、受入れ後の継続コストを3年・5年単位で試算することが、正確なコスト把握につながります。外国人採用の流れをあわせて確認し、各フェーズでどのコストが発生するかをあらかじめ把握しておきましょう。
在留資格別の費用相場
外国人採用の費用は、採用する人材の在留資格によって大きく異なります。在留資格の種類一覧で全体像を確認した上で、以下の費用相場を参照してください。
特定技能(1号)の費用相場
特定技能は人手不足が深刻な産業分野で即戦力の外国人材を受け入れるための在留資格で、2026年5月時点で14分野が対象です。対象分野の詳細は特定技能の対象業種一覧をご覧ください。
在日人材を人材紹介会社経由で採用する場合
- 紹介手数料: 40万円〜80万円(固定型)または年収の15〜25%
- 在留資格変更申請費(行政書士委託): 5万円〜10万円
- 登録支援機関委託費: 月額2万円〜3万円(年間24万円〜36万円)
- 初年度合計の目安: 70万円〜130万円程度
登録支援機関への委託は法的に義務ではありませんが、受入れ企業が自社で支援計画を実施しない場合は登録支援機関に委託することが実質的に必要です。委託費は機関によって月額1.5万円〜5万円と幅があります。
海外から呼び寄せる場合
- 送り出し機関への費用: 20万円〜40万円
- 渡航費(企業負担の場合): 往復10万円〜20万円
- 住居準備費(敷金・礼金・家財等): 20万円〜50万円
- 在留資格申請費: 5万円〜10万円
- 登録支援機関委託費(年間): 24万円〜36万円
- 初年度合計の目安: 80万円〜160万円程度
海外からの呼び寄せは初期コストが高くなります。すでに国内に在留している人材を採用することで、渡航費・住居手配コストを大幅に削減できる点は重要な判断基準です。
技術・人文知識・国際業務の費用相場
エンジニア・ITエンジニア・通訳・マーケターなどホワイトカラー職種に対応する在留資格です。
人材紹介会社経由の場合
- 紹介手数料: 年収の20〜35%(例: 年収400万円の人材なら80万円〜140万円)
- 在留資格申請費: 5万円〜15万円
- 合計の目安: 85万円〜160万円程度
日本語能力が高く専門性のある人材は市場価値が高く、紹介手数料も相応に高くなります。ただし特定技能と異なり、登録支援機関への継続委託費は不要です。
自社採用(ダイレクトリクルーティング等)の場合
- 求人広告費: 10万円〜50万円程度
- 在留資格申請費: 5万円〜15万円
- 合計の目安: 15万円〜65万円程度
紹介手数料がない分コストを抑えられますが、候補者の母集団形成と選考に工数がかかります。即戦力の確保を急いでいる場合には向きません。
技能実習の費用相場
技能実習は2024年に廃止・新制度への移行が決定しており、新設の「育成就労制度」への切り替えが進んでいます。現在技能実習で採用を検討している場合は、制度移行の影響を必ず確認してください。
監理団体経由の場合
- 監理団体への管理費: 月額1.5万円〜3万円(年間18万円〜36万円)
- 送り出し機関費用: 30万円〜60万円
- 渡航費(企業負担の場合): 10万円〜20万円
- 住居準備費: 20万円〜50万円
- 初年度合計の目安: 80万円〜170万円程度
技能実習は3年間(延長で5年間)の在留が基本で、監理費が継続的にかかります。帰国時の渡航費も企業負担となることが多い点も計上が必要です。
採用チャネルによるコストの違い
同じ在留資格の人材を採用する場合でも、採用チャネルによって費用構造は大きく変わります。それぞれの特徴を整理します。
人材紹介会社(成功報酬型)
- 費用発生タイミング: 内定・採用決定後
- 金額の目安: 固定40万円〜80万円または年収の15〜35%
- 特徴: 採用できなければ費用ゼロ。候補者の選定・面接調整・書類準備を代行してもらえる。リスクが最も低い採用チャネルの一つ
ハローワーク・外国人雇用サービスセンター
- 費用発生タイミング: なし(無料)
- 金額の目安: 0円
- 特徴: 無料だが、特定の在留資格を持つ人材の登録数は限られており、特定技能人材など専門的な条件を持つ候補者は少ない傾向がある
外国人向け求人サイト
- 費用発生タイミング: 掲載時
- 金額の目安: 月額3万円〜30万円
- 特徴: 紹介手数料がかからない分コストを抑えられるが、自社で選考工数を確保する必要がある
リファラル採用・SNS活用
- 費用発生タイミング: 紹介謝礼を設定した場合
- 金額の目安: 0円〜10万円程度(謝礼額による)
- 特徴: コストは最も低いが、候補者の質や就労要件の確認を自社で責任を持って行う必要がある
どのチャネルが最適かは、採用したい人材のプロフィールと急ぎ度によって異なります。即戦力を1〜2か月以内に確保したいなら人材紹介会社が現実的です。ユアブライトでは初期費用・運用費用0円の完全成功報酬型で外国人人材紹介サービスを提供しており、17万人以上のデータベースから条件に合った候補者をご紹介しています。
見落とされがちな間接費用と受入れコスト
採用フェーズのコストだけを予算に計上し、入社後の継続費用を見落とすと年間予算の試算が大きくずれます。以下の項目は特に見落とされがちです。
住居関連費:
特定技能の場合、受入れ企業が住居を確保することが支援計画の一環として求められるケースがあります。社宅提供なら実費、外部物件を契約する場合は敷金・礼金・月額家賃の一部または全額が企業負担になることも多いです。家賃補助として月1万円〜3万円を設定している企業が多く見られます。
日本語研修・職場適応研修費:
業務に必要な日本語レベルに達していない場合、入社後研修が必要です。外部研修なら月1万円〜5万円程度が相場です。就業規則・安全衛生マニュアルの翻訳費用(1ページあたり3,000円〜1万円)も初期に発生します。
在留資格更新費:
在留資格の更新は定期的に必要で、行政書士に依頼する場合は1回あたり3万円〜5万円程度の費用が発生します。特定技能1号は通算5年が在留上限のため、更新を繰り返しながら雇用が継続します。
保証・再採用コスト:
紹介手数料を支払った後、入社から数か月で退職するケースもあります。再採用となれば紹介手数料が再度かかるため、人材紹介会社の保証条件(早期離職時の返金または再紹介の期間・条件)は契約前に必ず確認してください。
現場でよくある費用面の相談
実際に企業担当者から寄せられる費用に関する典型的な疑問を整理します。
「紹介手数料と登録支援機関費は両方かかるのか?」
かかります。人材紹介会社に支払う紹介手数料は採用決定時の一時費用であり、登録支援機関への委託費は入社後に毎月発生する継続費用です。両者は別物です。ただし、人材紹介会社が登録支援機関を兼ねている場合、セットで割安になるプランを提供しているケースもあります。事前に確認してください。
「在留資格の申請は自社で行えるか?」
技術・人文知識・国際業務などは企業担当者が自社申請することも可能ですが、特定技能の在留資格変更は必要書類が多く、申請取次資格を持つ行政書士や社会保険労務士に依頼する企業がほとんどです。自社申請の場合でも書類準備の工数は相当かかります。
「登録支援機関への委託をやめて自社対応に切り替えられるか?」
法令上は可能です。しかし、自社支援を行うためには支援計画の策定・定期面談・各種届出・生活支援など年間を通じた対応が必要で、人事担当者の工数が相当かかります。月2万円〜3万円の委託費と、担当者の工数コストを天秤にかけて判断することを推奨します。
失敗パターンと回避策
費用面で多くの企業が陥る失敗パターンを整理します。
失敗1: 紹介手数料だけで比較し、定着支援の薄い会社を選ぶ
紹介手数料が低くても、候補者の質が低かったり保証条件が不十分だったりすると、再採用コストが発生して結果的に割高になります。手数料だけでなく、候補者データベースの規模・選考精度・入社後の定着支援体制も評価基準に加えてください。
失敗2: 受入れ後のコストを予算に含めていない
登録支援機関費・住居補助・研修費・更新手続き費を見落とし、初年度の実コストが予算を大幅に超えるケースが多く見られます。採用前に3年分のコストシミュレーションを行うことを推奨します。
失敗3: 在留資格と就労可能業務の確認が不十分
採用後に「この在留資格では自社の業務に就労できない」と判明するケースがあります。在留資格と就労可能な業務の対応関係は複雑なため、採用活動の開始前に行政書士等に確認しておくことが重要です。
失敗4: 海外からの呼び寄せで初期費用を過小に見積もる
渡航費・住居初期費用・生活用品の整備など、海外からの呼び寄せには採用チャネルコスト以外に30万円〜70万円規模の初期費用が発生します。特に地方の中小企業では、この初期投資の回収見通しを立てた上で判断することが重要です。在日人材の採用から始めることで、初期投資を大幅に抑えられます。
採用担当者のための実務チェックリスト
外国人採用の費用対効果を判断するための実務チェックリストです。採用検討段階で各項目を確認してください。
採用コスト算定の前提確認:
- 採用したい人材の在留資格を特定しているか
- 在日人材か海外からの呼び寄せか、方針を決めているか
- 採用人数と採用完了までの期限を設定しているか
初期コストの試算:
- 人材紹介手数料または求人広告費の見積もりを取ったか
- 在留資格申請費(行政書士等への報酬)を予算に含めているか
- 海外採用の場合、渡航費・住居初期費用を計上しているか
継続コストの試算:
- 登録支援機関への月額委託費(特定技能の場合)を年間ベースで計上しているか
- 住居補助・家賃補助の有無と金額を決定しているか
- 在留期間更新の手続き費を年単位で計上しているか
- 日本語研修・職場適応研修の費用を見込んでいるか
リスク管理:
- 人材紹介会社の保証条件(早期離職時の返金・再紹介期間)を確認したか
- 採用する在留資格で自社の業務に就労可能かを行政書士等に確認したか
- 採用後の定着支援体制を社内で整備しているか
費用対効果の最終判断:
- 1名採用の全コスト(初年度)を日本人採用のコストと比較したか
- 採用できなかった場合の機会損失(欠員による売上・業務損失)と比較したか
- 3年〜5年の在籍を前提とした総コストと人材価値を試算したか
まとめ:外国人採用費用のポイントと次のステップ
外国人採用にかかる費用は、在留資格・採用チャネル・人材の所在地によって大きく異なります。この記事のポイントをまとめます。
- 特定技能の在日人材を人材紹介会社経由で採用した場合、初年度の目安は70万円〜130万円程度
- 技術・人文知識・国際業務の専門職は紹介手数料が年収の20〜35%が相場で、継続委託費は不要
- 特定技能採用時は登録支援機関委託費(月額2万円〜3万円)を継続コストとして必ず計上する
- 紹介手数料だけで比較せず、定着支援・保証条件・継続コストを含めて総合的に評価する
- 初期コストを抑えたい場合は、在日人材への絞り込みと成功報酬型の紹介会社の活用が有効
外国人採用にかかる費用について個別に相談したい場合は、お問い合わせからご連絡ください。ユアブライトでは17万人以上の外国人材データベースを持ち、初期費用・運用費用0円の完全成功報酬型で採用をサポートします。内定が出るまでお支払いは一切発生しません。まずはお気軽にご相談ください(受付時間: 9:00〜18:00)。
外国人雇用に関する公式情報は厚生労働省「外国人雇用に関する法令・制度」、特定技能の在留資格については出入国在留管理庁「特定技能」で最新情報を確認してください。

